遺言・相続手続きでの土地家屋調査士の役割

平沼 康宏 [プロフィール]

今回は土地家屋調査士が相続や遺言作成時に関わる手続きを3つご紹介いたします。



1.土地を分ける土地分筆登記

 一筆の土地を二人の子どもに分割して相続させる旨の遺言を残す場合、予め2つの土地に分ける土地分筆登記を行うことがおすすめです。同様に、一筆の土地を相続人で分割する場合も土地分筆登記を行う必要があります。

 土地分筆登記をするためには、測量や境界確認が必要となるため、土地家屋調査士がお手伝いさせていただきます。


2.相続不動産の所在の調査

 固定資産税の納税通知書には所有(課税)されている不動産が記載されてます。しかし、納税通知書には不動産の所在や地番・面積等しか記載されておらず、その土地が実際にどこにあるかが分からないケースがあります。そんなときは土地家屋調査士が調査や測量を行い、その土地が現地のどこにあるのかをお探しいたします。


3.登記されていない建物の登記

 建物を建てたときは建物登記が必要です。しかし、一部の建物は登記がされていないことがあります。またよくあるケースとして、建物登記はされているが、途中で増築や一部取壊しをして登記されている床面積と合致していないこともあります。

 建物登記するメリットは、どの建物かを特定できるという点です。登記されていない建物を遺言に記載すると、どの建物か特定することができず争いになることも考えられます。

 また、相続した不動産を売却する際、建物登記がされていないために直ぐに売却できず、契約が破談になったケースもありました。

 このような事態を避けるためにも、予め登記が現状と一致しているか確認することがお薦めです。

 登記の確認も、土地家屋調査士がお手伝いすることが可能です。


 上記は、土地家屋調査士が相続や遺言作成時に関わる業務の一例です。実のところ、土地家屋調査士の業務は一般的にあまり知られていません。そのため、相談先に困ったお客様から土地家屋調査士が対応できるかというお問い合わせを多々頂きます。当社では、その都度、問題解決のサポートをし、また、最適な専門家をご紹介いたします。


 不動産のことで、誰に相談すればよいか分からない案件がございましたら、ぜひ一度、土地家屋調査士にご相談ください。